トップページ > 胃(内視鏡・透視)> 胃カメラと胃透視(バリウム)どちらがいいの?

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人間ドック・健康診断を徹底活用


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よく集団検診で用いられる、胃透視は、胃の内壁にバリウムを付着させ、空気とバリウムとの2重造影で行います。これによって、胃の全体像のほか胃粘膜のひだの変化、隆起、陥没、引きつれなどの凹凸などを認識できます。
しかし、ごく小さい病変は見落される可能性はあります。
また、食道の病変は、人間ドックなどの健康診断の検査では、撮影のタイミングなどで発見が困難な場合もあります。

また、検査でバリウムを飲むため、便秘の人は注意が必要です。検査後は水分をたくさん摂取してバリウム排出を促しましょう。また、施設によっては、水溶性の下剤がバリウムに混ざっているところや下剤を検査後に服用する施設もあります。

その他、胃透視(バリウム)はX線を使った検査ですので被曝を心配される方がいらっしゃると思います。
被曝の量や検査の時間など、最低限になるように管理されています。
胃透視(直接撮影)のおける被曝の量は、だいたい15ミリシーベルトといわれています。
胸部X線検査が0.1ミリシーベルトですので、胃透視検査は意外に被曝量が多いのは確かです。

また、私たちは、自然界からの意識せずに浴びている自然放射線を考えると(宇宙線・大地からの放射線・カリウムなど体内からの放射線・空気中のラドンから)年間2.4ミリシーベルトと見積もられています。

しかし、がんや白血病になる放射線被曝の量は、一度に1000ミリシーベルトといわれています。
人間ドックや健康診断ではこんなに大量に被曝することはありません。

しかしながら、放射線被曝によるリスクは、人により放射線の感受性も異なりますし、確率的な影響を考えると、やはりなんらかの影響がでる可能性は否定できないことは確かではあります。

以上のことなどを研究されている中で、胃透視でがんなどが発見される利益と被曝によるリスクを考え、現在も集団検診では胃透視が行われているようです。

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その一方内視鏡は、消化管(食道・胃・十二指腸)の内部を直接観察できるので、内部の様子や色などの認識もできます。また、直接のぞいているわけなので、何か詳しく検査が必要な病変があった場合には、病理組織検査もできます。
被曝の心配もない、直接診断がつけられる内視鏡は、最近では、人間ドックで受けられる人が増えてきているようです。

しかし、内視鏡検査は、のどの部分にファイバースコープ(内視鏡)が挿入されるため、嘔吐反射や精神的緊張なども考えられ、実施する医師の技術も関係してくることは否定できません。

その他、検査前には、感染症の検査も必要になります。(B型・C型肝炎・梅毒など)内視鏡はもちろんその都度消毒しますが、感染症のある場合の消毒の方法がまた異なるからです。
また、胃カメラも全く危険のない検査とはいえません。全国集計では、0.062%(約1600人に1人)の割合で胃カメラによる合併症が報告されていますし、0.0002%(50万件に1人)で死亡例も報告されているようです。


どちらの検査を選ぶかは、あなた、もしくはあなたの主治医の判断になります。
どちらもリスクをあげてしまえば、検査を受けたくないなんて思うかもしれませんが、それ以上に胃がんの早期発見などに役立っているからこそ、人間ドックの検査項目にあげられているのです。



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